平成25年度は、この事業の最初の年度にあたります。研究マネジメント人材の確保を一層進めながら、研究環境の改革として 11 の重点項目を定め、研究環境の改革に取り組みました。

研究者の多様性 研究の国際化 研究環境整備

研究戦略や知財管理等を担う研究マネジメント人材群の確保・活用として、あらたに 5名のURAを雇用した。

研究戦略や知財管理等を担う研究マネジメント人材群の確保・活用として、2名の外国人を含む5名のURAを雇用した。内訳は,平成25年11月着任2名、12月着任1名、平成26年1月着任1名、2月着任1名であった。本事業で雇用されたURAの専門分野は、分子生物学、ヒューマンインタフェース工学、近世日本文学(外国人URA)、社会学、英語教授法(外国人URA)であり、多彩な専門分野かつ国際性を有している。これにより、支援ができる研究分野について国際的なプロジェクトが多い自然科学系分野のみならず、人文社会科学系分野も含め、幅広く対応できる体制になった。さらに文理融合プロジェクトや臨床試験拠点整備、産学連携等、研究以外の豊富な経験があることも特徴である。その職務内容は以下の通りである。

  • 本補助事業の方向に教職員の意識が揃うように、事業の趣旨と目標を周知する活動
  • 研究情報の国際発信の支援と効果の検証、活動の評価
  • 若手及び女性や文系研究者による英語での情報発信のためのホームページ及びコンテンツ作成支援
  • 英語での論文発表が困難と考えられている研究分野に対する、発表の場の探索と論文作成支援
  • 外国人研究者に対する学内規則・運用等の説明と研究資金獲得支援及び研究者倫理の徹底
  • 外国人研究チームの受入れのための学内環境整備と受入れ後の運営支援
  • 大学が保有する知財及び個々の研究者の研究成果に基づく研究戦略の策定支援
  • 教員に対する安全保障輸出管理の意識の徹底
  • 若手及び女性研究者の研究費獲得支援(情報収集と計画調書作成支援)
  • 若手及び女性研究者による国際シンポジウムの企画・準備・運営の支援
  • 国際的共同研究の企画、申請、立ち上げ、運営、広報やシンポジウム等の支援
  • アカデミア、産業界、外国人、日本人等の多様な人材が集まるワークショップ等の支援
  • 国内外の競争的資金等の情報を収集し、学内の研究戦略分析を行う

キャリアパスや研修プログラムなどのURAにとっての職務環境整備については、「リサーチ・アドミニストレーターを育成・確保するシステムの整備(リサーチ・アドミニストレーションシステムの整備)」事業での検討結果を援用した。

1.研究情報の積極的な国際発信

研究の国際化

大阪大学とその研究者の研究成果が正当に評価されるためには、研究情報を積極的に国際発信し、知名度を上げることが必要である。そのために、

若手研究者の英文論文の作成(22件)やホームページの充実(9件)などの支援とともに、将来の共同研究につなげるという趣旨で外国の大学との合同シンポジウムを平成25年11月~平成26年3月に10件開催した。それらの各相手校の所在地は、スウェーデン、スイス、米国・オランダ・英国・ベルギー、韓国・中国、シンガポール、イギリス、香港・韓国・オーストラリア・米国・フィンランド・スウェーデン・イスラエル、英国、ドイツ、台湾・中国・米国・フィリピン・マレーシア・シンガポールであった。また、学長・理事等が国際的大学コンソーシアム等に出席し、積極的に情報発信を行った。それらの会議は、APRU(環太平洋大学協会)、第8回日中学長会議、第4回日露学長会議、AEARU(東アジア研究型大学協会)、第2回日本・インドネシア学長会議、神戸大学、京都大学、大阪大学の3大学産学官連携シンポジウム(ハノイ)、RU11研究担当理事・副学長懇談会によるLERU(欧州研究大学連盟)との意見交換会である。これらのほかに、大学のホームページの検索機能と研究情報登録機能の高度化と国際発信の安定な運用実現のためのバージョンアップを行った。

2.研究拠点の強化(国際ジョイントラボの設置)

研究の国際化

既に強い分野またはこれから強くしたい分野のいずれの場合であっても、世界で活躍している第一線の研究者とジョイントラボをもって共同研究することは研究力強化に大きな効果がある。そのために …

… 学内で公募を実施し、平成25年10月に15件を採択した。その相手機関の所在地は米国(2)、カナダ(2)、フランス(2)、ドイツ(2)、スイス(2)、チェコ、インド、香港、フィンランド、デンマークである。また、平成26年度以降に設立するための準備をする計画を11件選定した。

3.国際共同研究の奨励と研究者の交流

研究者の多様性 研究の国際化

国際共同研究を始める機会を多くすることは、将来の研究力強化に効果がある。そのために、若手研究者を中心に13名を平成25年12月~平成26年3月に米国(5)、ドイツ(2)、英国(2)、スイス、中国、カナダ、ポーランドに1~7週間派遣し外国人研究者19名を …

… 平成25年11月~平成26年3月に英国(4)、フランス(3)、イタリア(2)、インド(2)、ドイツ、ハンガリー、ウクライナ、インドネシア、タイ、マレーシア、ベトナム、中国から1~20週間招へいした。また、URAによる英国、オランダ、ベルギー、ギリシャ、フランス、ポルトガル、デンマークの訪問とともに、ドイツに関しては委託により、人文社会学分野の研究支援および研究評価システムの調査を実施した。そして、その結果を関連部局の施策に活かせるように情報提供した。

4.事務部門の国際対応能力の強化

研究環境整備

外国人研究者や留学生の入出国や日本に住むための諸手続及び日常生活に関する情報提供などの支援のため、語学に堪能な(バイリンガル)職員3名を配置した。また、 …

事務職員の外国機関訪問調査を平成25年11月~平成26年3月に17件実施し,国際対応能力の強化に努めた。参加人数は全体で81名(教職協働の趣旨で同行した教員を含む)、各調査の訪問先は米国(6)、オランダ(2)、フランス、デンマーク・スイス、カナダ、オーストラリア、タイ、シンガポール、中国、台湾、韓国であった。

5.研究戦略の策定支援

研究環境整備

産学連携本部を中心に、知財戦略の観点から、研究者の研究計画並びに成果の権利化について積極的に助言を行った。また、事業可能性や…

事業可能性や市場創出可能性の分析等を研究開発の初期段階で効果的に把握するために、事業化や起業化ポテンシャルを評価した。その上で、「ギャップファンド」という形で、19件の課題について、研究成果の事業化可能性を検証するための支援を行った。また、科研費の詳細な取得状況を把握するためのデータベースを構築した。これは既存の平成21~24年度のデータに、平成16~20年度と平成25年度分のデータを加えたものであり、プログラムのアップデートも行ったことによって、研究力の分析を効率的に行うことができるようになった。

6.外国人研究者に対する支援等

研究環境整備

外国人研究者が円滑に研究を進めるために、科研費申請マニュアルの英語化、外国人向けセミナー資料作成等を行い、不自由が生じないようにするとともに、母国とは研究資金の使途と使い方の自由度が異なる可能性があることを認識させた。

7.安全保障輸出管理の意識の徹底

研究環境整備

外国人研究者の往来が増加するにつれて、知財と機器の管理に対する注意の必要性が増してくる。そのため、研究推進部研究推進課の開催による講習会(10月24日(参加者25人)、12月5日(参加者23人))を活用することにより、教職員に安全保障輸出管理の意識を徹底させた。

8.さまざまな集まりの場の設定と研究者のマッチング

研究者の多様性

研究上の発想を柔軟にし、新たな研究アイデアを生み出すには、アカデミア、産業界、外国人、日本人、性別や年代、そして文系や理系などの研究分野の違いを越えて集まる機会を設けることが効果的と考えられる。そのような場として…

場として、平成25年度は学内の文系と理系の研究者や事務職員が意見を交換する交流会を3月19日に開催し、法学、工学、産学連携等の部局・部署から16名が参加した。

9.部局を超えた研究グループの立ち上げ

研究者の多様性

大阪大学の特徴を活かし、将来、世界を先導する可能性がある研究グループや、若手研究者による将来的に発展が期待できる研究グループなどの部局横断的な立ち上げ活動を支援する取り組みとして「未来研究イニシアティブ支援事業」(研究プロジェクト運営経費やシンポジウム開催経費等を支援)を学内に創設し、平成25年9月に11件採択し、活動を開始した。

10.学内研究設備の共用システムの構築

研究環境整備

効率的な研究推進を支援するため、科学教育機器リノベーションセンターの協力のもと、共用化を促進するための機器の整備を6件行った。

 

11.手続きの効率化と教職員に対するリスク管理の徹底

研究環境整備

遺伝子組換え実験計画書等の申請・承認手続きの電子化フォーマットの作成を行い、遺伝子組換え実験の安全確保のため、手続きの漏れを防ぐなど、リスク管理を徹底した。また、研究活動の状況分析や、本補助事業を含む研究力強化の取組の進捗状況、成果等の情報をウエブ上で積極的かつ迅速に発信して、社会からのフィードバックを受けることによって、施策の改善に活かした。

研究力を強化するための主な取り組み方針

大阪大学の研究力強化実現構想については、PDF こちらをご覧ください。(文部科学省のサイトにリンクしています)